自主学習を通して学ぶ「学びたい気持ち」
- 公開日
- 2025/10/10
- 更新日
- 2025/10/10
お知らせ
ある朝、5年生のAさんが「先生、今日は5ページ取り組んできたよ。見てみて」と言って、自主学習ノートを担任のもとに持ってきました。ページを開いてみると、丁寧にまとめられた学習の跡が5ページ分もありました。担任が「すごい! 宿題以上の量をしてきたのだね。こんなにがんばったのはなぜなの?」と尋ねると、Aさんはこう答えてくれました。
「一度始めたらもっと知りたいと思って、それを続けたら、いつのまにか5ページもやっていました。」
勉強というと、「めんどうだな」「やりたくないな」と感じてしまうこともあります。それは大人でも同じです。しかし、一度やり始めてみると自然と集中して、いつの間にか夢中になっている…という経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「とりあえず始めてみる」この第一歩こそが、学びの扉を開く鍵なのだと、Aさんの姿を見て改めて感じました。そしてその鍵を回す“きっかけ”があれば、子どもたちは自ら進んで学ぼうとするのだということも感じました。
担任はAさんの自主学習を、クラスのみんなに紹介しました。子どもたちは「すごい!」「わかりやすい!」と、目を輝かせて見ていました。その中には「こうすればいいんだ。知らなかった!」という声も上がり、取り組み方を学ぶ姿もありました。何をしてよいのかわからないということが、実は子どもにとって「勉強のハードル」になっているのかもしれません。
その翌日から、クラスでは多くの子どもたちが嬉しそうに自主学習ノートを見せに来てくれるようになりました。内容も「学習発表会に向けたダンス練習の工夫」や「宇宙にはなぜ酸素がないのか?」など、自分の興味をとことん追究するものばかりでした。
この出来事を通して、私は「子どもたちが勉強に向かうには、きっかけが大切なのだ」と改めて感じました。友達のやり方を見て「まねしてみよう」と思ったり、「自分も負けたくない」と思ったり。そんな刺激や気付きが、「学びたい!」という気持ちを引き出してくれるのです。
学校でも、子どもたちが学びに向かうきっかけづくりを大切にしていきたいと考えています。ぜひご家庭でも「どんなことを勉強したの?」「教えてくれる?」など、あたたかな声かけや見守りを通して、お子さんのがんばりを認めていただけたらありがたいです。
今後とも、ご家庭との連携のもと、子どもたちの学ぶ力を育ててまいります。ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。