「卵の緒」　瀬尾　まいこ

　「僕は捨て子なの？」小学４年生の育生は聞きます。みんなリアクションが怪しいのです。小さい時からお父さんもいないし、お母さんに自分のことを聞いてもあやふやです。生まれてきた時の親子の証である「へその緒」を見せてもらおうとしても、卵の殻を見せるだけでますます自分は捨て子なのではないかと悟ります。けれども育生のことを一番大切に思ってくれるあたたかな母の愛情に育生の心は満たされます。親子の絆、家族の愛を感じる一冊です。ぜひ、親子で読んでみてほしい作品です。