今日、みなさんに、理科の「種子(しゅし)の発芽(はつが)と成長(せいちょう)」の実験セットを配りました。「種子(しゅし)」とは、「種(たね)」のことです。また、「発芽(はつが)」とは、種子から芽や根が出ることです。この実験の目的は、部屋の中で放っておいても発芽しない種子が、水、空気、適当な温度、土、日光、肥料など、どのような条件がそろった時に発芽するのか、比べるものどうしを決めて、はっきりさせることにあります。たとえば、あなたが、1年生だったとき、アサガオを育てたでしょう。あのとき、あなたが、土に種をまき、毎日のように水をやり、植木ばちを日当たりのよいところに置いたとします。そして、そのような経験をもっているあなたが、「種子の発芽には、土と水と日光が、きっと必要なはずだ。」と予想したとします。それはそれでよいのですが、土・水・日光という3つの条件について、一度に全部まとめて調べることはできません。ですから、まず、調べることを一つに決めて実験します。たとえば、発芽に「土」が必要かどうか調べるとするなら、「土」を入れたカップと「土」が入っていないカップを用意し、どちらのカップにもインゲンマメの種子を2個ずつ入れ、自分の部屋の同じ場所(日当たりとか温度とかが違わない場所)に置いて、どちらのカップにも毎日同じくらいの水をあげて比べるようにします。この後、何日か待って、土を入れたほうの種子も土を入れなかったほうの種子も、どちらも発芽したとすれば、土はなくても発芽するということになります。そして、それを発見したあなたは、「そういえば、土のないコンクリートの上で発芽している草を見たことがあるな。」と、なっとくするかもしれません。日光が必要かどうか調べる実験をする場合は、2つのカップを用意して、どちらにも、だっし綿(わたのことです)をしき、その上にインゲンマメの種子を2個ずつ入れて、同じくらいの水をやり、日当たりのよいところに、2つのカップを並べ、そのうちの一つに日光が当たらないように箱をかぶせて、何日か待って比べてみるということになります。そして、日光に当てたほうも当てなかったほうも、どちらも発芽したとしたら、「日光はなくても発芽する。発芽するために、日光はなくてもいい。」ということになり、「そういえば、土に指で穴をあけて種まきし、その後で土をかぶせて真っ暗になっても芽は出たよな。」と、あなたは、なっとくするかもしてません。このような感じで、できるだけ、公平で正確な実験をして、あなたの「なっとく」や「発見」を増やしていってください。発芽の実験については、NHK for Schoolにも紹介されているので、参考にしてください。