「ライオンのおやつ」　小川　糸

　主人公、海野雫はがんに侵され、余命が幾ばくもありません。唯一肉親の父の元にも行くこともはばかられ、雫は、「ライオンの家」というホスピスにお世話になることを決めます。「ライオンの家」では、毎週日曜の３時からおやつの間でお茶会が開かれます。そこでは、「ライオンの家」に滞在する人々が人生でもう一度食べたいおやつをリクエストすることができるのです。どんな味だったか、どんな形だったか、どんな場面で食べたのかなど思い出を重ねながらいただきます。雫が決めた最期のおやつとは…？「ライオンの家」であたたかな人々と出会い、雫は「死」と向き合い最期の時を受け入れます。