第７６回　卒業証書授与式 　　　 式　　辞

　降り注ぐ光にも春の気配が感じられるこのよき日に、ＰＴＡ会長萬尾和正さまをはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜りますと共に、保護者の皆様のご臨席をいただき、第７６回卒業証書授与式をこのように盛大に挙行できますことを心より感謝申し上げます。
　さて、卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。城山中学校での生活は、どうでしたか。新型コロナウィルスに翻弄された３年間でした。臨時休業や分散登校。修学旅行行程の変更。中体連やコンクールが中止になったり、多くの制約があるなかの開催となったりすることもありました。心と体が大きく成長し、それがゆえに不安定な中学生の時期にあって、このような状況は、みなさんの不安や悩みをさらに大きくしたと思います。
しかし、そんな困難な状況のなかでも、みなさんは、物事をいつも前向きにとらえ、できることに精一杯取り組みました。そして、その困難をみごとに乗り越え、城山中学校の新しい伝統を築いてきました。
　その伝統の一つに、合唱コンクールがあります。どのクラスも心を一つにして素晴らしい演奏をすることができ、聞く人に感動を与えました。とくに３年生は、全てを出し切った演奏でした。結果発表で、みなさんが流した、うれし涙、そして、悔し涙。今思い出しても、熱いものがこみあげてきます。言葉だけでない、実際の行動で見せてくれた努力によって、後輩に引き継ぐ城山中学校のよい伝統を、また一つ、つくることができました。
県内大会や北信越大会、全国大会での活躍、中文祭での学年合唱、美術や文芸の分野での展示、人権作文など、卒業生のみなさんの活躍によって、城山中学校のよさが、県内はもちろん北信越、そして、全国に伝わりました。
また、毎日の学校生活を振り返れば、誰も見ていなくても、褒めてくれる人がいなくても、学級の係や委員会の活動に自ら取り組み、責任を全うした人もいました。部活動の練習がつらかったとき、励まし合うみなさんの姿がありました。けんかをして落ち込んでいるとき、そっと友だちに寄り添ってくれる優しい生徒がいました。当たり前の毎日の生活から、城山中学校の伝統が着々と築かれたと感じています。
今、みなさんは、本校の教育目標である「自立・共生・貢献」を自分の行動で表すことができるようになりました。
卒業しても、城山中学校の毎日の生活で身に付けたことに自信と誇りをもち、自分の道を切り開き、幸せな人生を歩んでください。
終わりになりましたが、本日ご臨席を賜りましたご来賓の皆様には、これまで卒業生のために、素晴らしい教育環境を整えていただくなど、陰に日向に支えていただきましたこと、心より感謝申し上げます。

　また、保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。保護者の皆様の深い愛情に支えられ、本日、卒業の日を迎えました。保護者の皆様には、陰になり、日向になり、お子様の成長を見守っていただきました。通常の３年間以上に、ご苦労の多い３年間だったと、ご推察申し上げます。義務教育九年間の終了です。これまで、本当にお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
　結びに、この３年間、本校にお寄せいただいた温かいご理解・ご支援に心より感謝申し上げますとともに、卒業生の皆さんの前途が健康で幸多いことをお祈りして式辞といたします。

　　　　令和５年３月１５日
　　　　富山市立城山中学校　
　　　　　校長　池淵　直人