子供たちが1学期から一生懸命取り組んでいる米づくり。9月に入り、ようやく待ちに待った穂が出始め、子供たちもあと少しで収穫だと意気込んでいました。その矢先。米づくり始まって以来の大ピンチが、ふいに5年1組を襲いました。
9月8日(水)の放課後。子供たちが、
「先生、田んぼが大変、すぐ来て!!!!」
と、大慌てでやってきました。すぐに田んぼに行くと、子供たちが田んぼを取り囲んでいました。状況は想定していた以上に悪いものでした。昨日までまっすぐ伸びていた稲の大部分が倒れしまったのです。
「ああ、ここまで育てたのに・・・」
「今日の雨風のせいだ・・・」
など、稲の倒れた様子を見つめる子供たちからは、何とも言えない言葉がもれていました。
しかし、次の日。子供たちの米づくりに対する思いの強さに驚かされました。多くの子供たちが、稲が倒れる原因やその対策について、調べてきたのです。登校するなり、
「先生、水を抜いたらいいかもしれない」
「稲を束にしてひもで縛りたい」
「稲を丈夫にする肥料「カリ」をまいたらどうかな」
など、子供たちは、なんとかしてこの状況をよくしたいと強く願い、自主的に行動を起こしたのです。
学級では、その日の予定を変更して「緊急会議」を開き、今後の対策を話し合いました。熱い議論が交わされました。議論の結果、「人工照明を当てながら見守る」ことになりました。いろいろな案が出たのですが、最終的には、桜谷田は、まだまだ成長過程の田んぼ。稲の生長する力を信じて見守るのがいいのかもしれない。だけど、ただ見守るだけだと寂しいから、稲の生長を少しでも助けたいから、人工照明を当てるということになりました。
次の日。さっそく人工照明を当てる子供の姿がありました。その瞳は真剣です。2学期も、5年1組の米物語から目が離せません。
つづく。