学校日記

校長室からの独り言25  一人一人の“あいさつ”の存在

公開日
2023/06/05
更新日
2023/06/05

風の子情報社 校長室からの独り言支局

 あいさつについて、昨年度末のコミュニュティースクールで見守り隊にも数年にわたりご尽力いただいているKさんから伺った話を紹介します。「以前、風の子はあいさつができていないと発言したが、それを撤回させてくれ」と始まりました。
 見守り隊として、子供たちのあいさつが気になっていたので、自分から大きな声で率先してあいさつをする背中を見せようとKさんは実践されたようです。しかし、ほとんど返事がなかったり、小声での返事しか返ってこなかったりで落胆されました。思案したKさんは、子供たち一人一人の顔を見ながら、一人一人に届く声の大きさであいさつするように変えていかれたようです。そうすると、子供たち一人一人があいさつをするようになったというのです。大きな声で自分からあいさつをする子供、恥ずかしそうに頭をちょこっと下げる子供、様々ではあるが、あいさつというコミュニュケーションが始まったのです。Kさんが、登校班という集団に大きな声をかけていたあいさつを、一人一人に伝えるあいさつに変更したというのが、私たち教員にとっても目から鱗だったのです。
 学校は、教室での一斉指導で子供たちに投げかければ、子供たちは聞いているという、学校の都市伝説的なシステムに甘え、一人一人にしっかりと伝えようと努力しなくなっているのではないか。集団は、一人一人の存在で成り立っているという大事なことをKさんから教えられたような気がして、職員会で勇んで教職員に話しました。今、この記事を書きながら、職員会での私は、教職員一人一人の存在を意識し伝えていたか、自問しています。