学校日記

校長室からの独り言30   “今時の若者”は・・・

公開日
2023/09/14
更新日
2023/09/14

風の子情報社 校長室からの独り言支局

 今時の若者は、我慢強さや粘り強さ等の非認知能力が不足していると言われます。この“今時の若者”というのはくせ者で、いわゆる”若者論”が流行りだしたのは1970年代の、戦争を知らない子供たちからかもしれません。まさに日本では、戦争体験のある大人と非体験の若者では、様々な考え方の格差は大きなものだったのでしょう。しかし、その後80年代には、新人類という異星人のような失敬な言葉で差別化を図る大人たちが存在するなど、中身がそんなに変わらない大人たちが差別化を目的に使っている言葉となり、大人と若者が五十歩百歩のような時代となってきました。ちなみに、古代エジプトのパピルスにも、“今時の若者”という記載があるとやら。
 冒頭の「今時の若者は、我慢強さや粘り強さ等の非認知能力が不足している」というのも、あくまでもイメージです。我慢が切れて犯罪を起こすのも、この時代若者に限ったことではないわけです。今時は、大人の方が堪え性がないと言われそうです。単に “今時の若者”という言葉を代名詞にしながら、今の世相が語られているのでしょう。子供たちの様子を見ると、我慢強さや粘り強さがないというのではなく、以前の子供たちと頑張り所が違うということはあるかもしれません。以前の子供たちは、大人の真似をしたがったので、大人が我慢強さや粘り強さを求めている場面に、しっかり答えていたような気がします。しかし、今時の子供は、自分のスイッチが入った時や事でしか、我慢強さや粘り強さを発揮しません。大人目線から言うと、ムラを感じたり、物足りなさを感じたりします。しかし、大人の都合に合わせないたくましさは、わがままにも見えるが自立心なのかもしれません。セカンドライフこそは自由に生きたいと願う大人たちの世相と同様に・・。