学校日記

校長室からの独り言33  昔の道具??に

公開日
2023/10/23
更新日
2023/10/23

風の子情報社 校長室からの独り言支局

 宿泊学習では、火起こし体験をしたり、竹を加工し食器にしたり、様々な原始体験を行っています。そこには、今の子供たちが使わなくなった様々な道具も使います。なたや小刀、のこぎり・・。以前は、どの家庭の納屋にもあり、子供でも手が届く日常的に使う道具だったものも、今ではのこぎりさえも必要のない家庭があるようです。小学校図工では、カッターナイフと彫刻刀、のこぎり、小刀での加工教材も少なくなり、中学校技術においても、大工道具を購入することはなくなりました。
 彫刻刀に至っては、安全カバー付きで手を切ることがない構造となって、刃物の類いではなくなり、安全指導の必要性もなくなっています。危険だと思うから用心して使う、怪我をしない正しい使い方をマスターするはずの便利な道具が、怪我をしない道具に進化?しているのです。怪我をしない彫刻刀を考えた人は、素晴らしいアイデアで、世の中の役にたっているから、学校ではこのような商品を活用しています。しかし、自分の命や身を守る知恵や知識をつける機会が少しずつ失われていることで、危機意識や安全な行動への意識が失われているのではと危惧しています。怪我しないように怪我しないように先回りしていることで、失敗しないように失敗しないように先回りすることで、嫌な思いや失敗の経験から人間が長い間培ってきた様々な生きる知恵が“昔の道具??となって、失われていくのではと心配になるのは、老婆心なのでしょうか。