学校日記

校長室からの独り言37   先入観!情報操作で

公開日
2023/12/12
更新日
2023/12/12

風の子情報社 校長室からの独り言支局

 人の先入観について、以前マスコミで行った実験です。夜遅くに自宅へ帰る、近所付き合いのないご主人について、近所の人に正反対の2つの情報を流したときの反応の違いについてです。仕事の成果から世界的に優秀な賞を受けたようだと情報を流し、近所の人に人柄を尋ねたら、勤勉で夜遅くまで仕事に勤しんでおられる誠実な人だと。そして、言葉少なで奥ゆかしい・・・と人柄を評しています。反対に、犯罪者であるという情報を流してから人柄を尋ねると、夜もこそこそとしていて、あいさつをしても目を背ける感じで・・・と、まさに絵に描いたような悪人となります。
 夜遅く帰る、言葉数が少ないという事実が、全く正反対の情報が先入観となり、異なった人物評になるというのです。夜遅く帰るのが、勤勉と捉えられるのか、こそこそと捉えられるのか、1つの事実の点にもう一つの点によって異なったベクトルの線となります。子供たちの先生評もかなり先入観に左右されます。その先入観で、厳しい先生と怖い先生、同じ叱咤や懲戒でも、励ましなのか威圧なのか、教育的な意義が大きく異なってしまうのです。子供を正しく導くために、懲戒の背景にあるよりよくなって欲しいという願いを1つの事実の点にしたいものです。我が子をよりよくするために、怖くて嫌な先生という点にするのか、厳しくてよい先生という点にするのか、同じ点の情報を操作することで、我が子がよりよい見方を身に付けられるのであれば、我が子にとって得な点を選択したいものだと思う。