校長室からの独り言39 個性!それは
- 公開日
- 2024/01/15
- 更新日
- 2024/01/15
風の子情報社 校長室からの独り言支局
西洋絵画の発達を見ると、カメラの存在が大きく絡んできます。印象派の絵画は、まさにカメラの発明によって、カメラが得意とする単なる再現ではなく、絵画だからできる表現を模索し始めるのです。目的を、再現することから表現することにシフトした絵画表現は、印象派の時代から“個性”という大きなものが前面に打ち出されてきます。今では、あたりまえに使われる“個性”が絵画表現でスタートしたのは、ほんの150年程前なのです。
近年、“個性”を大切にといわれながらも、何か一つはき違えると、“変わり者”と評されてしまいます。この紙一重の境界線が大きな圧力となることもあります。リクルートファッション等は、その最たるものなのでしょう。会社には、自分らしさを伝えたいと思いながらも、和を乱していると思われれば企業の一員としての評価が落ちるのではと怯えるあまり、いつの間にか区別すら付かない同じ服装で面接の列に付くこととなります。そのうちに没個性となり、集団に合わせることに明け暮れた社畜となることもあります。仕事の場や仕事以外での場で、“個性”を自由に発揮できる表現の場をもったならば、生きがいとなるでしょう。教科の中にも、個性を発揮することを評価されるものもたくさんあります。図工や音楽、体育はもちろん、クリエーティブな発想を必要とする理数、文や言葉の言語表現の国語、仲間と道徳的価値を交流する道徳、・・・。子供たちが生きていく上で大切な大切な表現教科、個性的に楽しみたいものです。