校長室からの独り言40 戦争と平和
- 公開日
- 2024/02/01
- 更新日
- 2024/02/01
風の子情報社 校長室からの独り言支局
戦中、多くの画家が戦争の記録を描くために戦地に赴いていたようです。その絵は、カメラのファインダーを通して見たものよりも、画家の心を通して感じたことが表現され写真以上に悲惨さを物語ったと言われます。未だにその悲惨な情景が反日感情や被害者遺族への配慮から公開できずに、美術館に仕舞われているものもあるようです。戦後の約80年の間に、日本は経済的復興を遂げ、当時口にすることができなかった、戦地に赴く人々、そして残される家族の悲しみや苦しみも、国家や国政への不満や意見も訴えることができる平和な時を日本人は迎えています。
そんな中、「ちいちゃんのかげおくり」「一つの花」「ヒロシマのうた」等、国語教材の中に戦争教材があります。戦争背景が子供たちと遠くなり、想像の及ばない昔話となり、教材としての役割が果たせないということから、国語教材や資料として削減されていくこともあるようです。語り部の方のお話や戦中の写真やビデオ、手紙等々を使い、少しでも背景を感じながら、ちいちゃんやゆみ子等の心情に迫ろうとしています。反面、遠くなったと勘違いしていた戦争が、世界中に・・・日本にも。兵器、武器、弾薬を供給していることが、平和のためという皮肉で不可解な人間社会、風化させてはならないものを、今生きている私たちが大きな眼を開いて見極めて確実に残し続ける、考え続ける責務があるに違いありません。