学校日記

校長室からの独り言19 いろいろな物差しで豊かに!!

公開日
2020/12/16
更新日
2020/12/16

校長室から

 算数でつまずいている中学生に対して、どの学年でのつまずきかの調査実験があります。小学6年から順にテストをしていくのと、小学1年から順にテストをしていく二種類の比較です。小学6年から順にテストをしていくと、できない自分にだんだん落ち込んでいくのか、つまずいている学年以下の学年でもつまずくようになるそうです。逆に1年から順にテストをしていくと、できる自分に自信をもつからか、つまずいている学年以上の力を発揮するというのです。
 なんとなく、気持ちが負けてしまうこと、大人でもあります。気持ちで負けないようにと言っても、失敗の連続では萎えてしまいます。学校教育で成功経験、「分かる、できる」授業が大切にされているのはこのような事もあるのでしょう。成功経験は誰にとっても成長のきっかけとなります。しかし、失敗や困難の中に「俺って天才」「俺って、捨てたもんじゃない」と言える、自己肯定感を高めることができたとしたら、成果主義に陥らず、自分を常に成長させていけるのです。悩んでいることって、考えているあなたのすてきさです。苦しんでいることは、優しいあなたのすてきなところです。作業が遅いのは、確かめながら丁寧にやっているあなたのすてきなところです。成果主義や作品主義の物差しで他と比較することや到達度で評価することも、社会の中で自分の位置付けを確認することとして大切です。しかし、もっと他の物差しをもっていたとしたら、もっとたくさんの物差しをもっていたら、見えてくる自分の姿が大きく異なり幸せを感じるかもしれません。