校長室からの独り言39 ワクワクする?
- 公開日
- 2022/01/21
- 更新日
- 2022/01/21
校長室から
「答えをもったらそこで終わり。問(とい)をもったらそこが始まり」というコマーシャルを、最近耳にした。「答えが欲しくて」にこの答えを返し、「分からないことのほうがワクワクしない?」と続けるのです。知識偏重の教育から脱却し、子供たちの不思議という問いを大切にすることで、思考力や判断力を育もうとしている日本の教育を端的に表現した教育業界のコマーシャルかと思わせたが、違っていたようです。
分からないことがあるから、分かりたいと思う。分かろうとする過程にいろいろなことをまた発見していくことを楽しむ学びの姿は、帰り道の一年生の様子と重なります。一年生は、何が楽しいのかあっちを見たりこっちを見たり、何かを見つけては道草を、何かを見つけてはおしゃべりを。仕舞いには、何時間もかかる下校となり、お目玉を食らうが、止められない。学年が上がるにつれて、勉強をさせられるという感覚が強くなる日本の子供たちも、キラキラとした眼でいろいろなアンテナを張り、「勉強したい!」とたくさんの好奇心に包まれているのです。分からないことにワクワクしている子供たちの主体的な学びの姿を、大切に大切に育む必要があります。成果やゴールに向かっていないような気がして、「早くしられ!」と追い立ててしまいそうですが、そんな大人の価値観が学びの意欲を喪失させ、大人の言うことを聞いていた方が得と感じる、受け身の子供を育てているのかもしれません。「分からないことのほうがワクワクしない?」と子供たちに声をかけて、大人もそんな世界を楽しんでみませんか。スローライフで。