校長室からの独り言26 他人の喜びは自分の喜び!
- 公開日
- 2021/05/11
- 更新日
- 2021/05/11
校長室から
家庭科の授業で、一週間のくらしを振り返る学習ありました。その例示として、担任が自分の一週間のくらしを帯表にして子供たちに提示したというのです。帯表を見て、1日に占める仕事時間の多さに愕然としたという話をしていました。その話に、「それにショックを受けていたら、そんな大変な仕事なら、先生という仕事には就きたくないと子供は思うよ」と、先輩先生のツッコミ。私たちが就職した頃は、まだまだ子供のなりたい仕事に、“先生”はランクインしていました。しかし、今ではブラックと称される仕事となり、超過勤務や勤務内容についても魅力的でない報道も多く、教員になりたい人は年々減少しているようです。働き方改革を実現し、やりがいのある職場に・・・と。
確かに苦労が多い仕事となっていることは否定しないのですが、やはり子供たちを育てる“先生”という仕事は、何にも代え難い魅力があります。子供たちの成長を目の当たりにできる喜び、達成した喜びややり切った満足感を子供たちと共に感じる幸せは、この仕事ならではのライブ感なのです。決して自分に利益があるわけではないのだけど、周囲が幸せになることで心が自然と温かくなります。緊急事態宣言が出され、一人一人の行動自粛が求められる昨今のニュースで、利他的という言葉を度々耳にします。利己的と反対の意味です。自分の幸せはもちろんうれしいですが、周りを幸せにできること、役立ち感や自己有用感も大切な生きる喜びなのです。子供たちの中から、友達が何かを頑張ったときに、自然発生的に温かな拍手が起こる瞬間があります。仲間の喜びを自分の喜びとして感じることができる、子供たちの人としての温かさを感じる瞬間です。