校長室からの独り言28 「えっ、本当に?」と
- 公開日
- 2021/06/14
- 更新日
- 2021/06/14
校長室から
子供たちの机上にコンピュータが置かれ、子供たちが辞書をめくるようにネットで調べ事をしたり、ノートに書くように自分の考えを打ち込んだり、このような学習の姿、こんなに早く訪れると誰が想像したでしょうか。私が教員になった頃は、指導案や校務分掌の書類等は、まだまだ手書きのものが多くありました。成績処理のためにコンピュータを使い始めたり、文書作成のためにワープロを使い始めたりした頃でした。また、授業で活用するために、DOS言語でのプログラミングに長時間かけても、ほんの数秒しか動かず、労多くして・・・という時代でした。それが、あっという間に静止画から動画、大人から子供たちまで、幅広く、想像を超えた情報やデーターが、苦労せずにやりとりできる時代となりました。
キーワードを入れると、関連した情報が素早く手に入ります。その情報が正しいのか、正しくないのかは、コンピュータは判断してくれません。アクセス数が多いもの、世の中の興味関心があるもの、トレンドで少数意見がなおざりにされることもあります。授業でも似た姿を見ます。一人の意見に対して、似ている意見が重なり、力強い意見となっていきます。そして、いくつも同様の意見が重ねられる中で、シャンシャンと終わります。しかし、必ずと言っていいほど、「ちょと気になる!」と大きな流れを止める子供の意見が生まれてくるのも授業です。多面的多角的な考えとなるきっかけです。議論する中で身に付く多面的多角的な考え、こんな情報過多の時代だからこそ、「えっ、本当に?」と疑い、大勢に流されないことも必要なのかもしれません。そのために、コンピュータという魔法の箱からだけでなく、一人一人が様々な調べ方を活用しながら、様々な情報活用の仕方を模索する泥臭いやり方も忘れてはならないのかもしれません。お子さんが、「ねえねえ、・・」と聞いてきたら、「検索かけてみなさい」と答えるのは、ちょっと味気ないかと。