校長室からの独り言34 対面することって・・
- 公開日
- 2021/10/26
- 更新日
- 2021/10/26
校長室から
前回、コロナ感染症被害者ということで、ファミリー活動、縦割り活動の中で育つ機会が欠如したことについてお話しました。もう一つ大きな問題は、座席にあると感じています。対面座席がいかに子供たちを育てていたか、無くなって分かる大きな効果です。全員一方方向を向いての給食時間は、子供たちにとって味気ない時間となったことはもちろん、食を通して仲間と屈託無く話す時間は何にも増して楽しく心弾む大切な時間であり、授業では見られない仲間の姿が垣間見られ他者理解の大切な時間でもあったのです。
また、話し合いにおける対面座席の教育効果は大きかったのです。“コの字型”という、話し合いの体形は、互いを見合いながら、自分たちで話し合っているという感じがします。しかし、今はコロナによる感染症対策で、全員が黒板の方を向いての一斉授業型の座席となっているのです。仲間に話すときも黒板に向かって、先生に話すこととなります。数多くの学級の仲間に向かって話すこと。また、自分に向けて仲間が話しかけてくること。そして何よりも、たくさんの仲間と共に解決しているという、自立の姿がなくなってしまいます。教科や特活、道徳、あらゆる場面での、自分たちで問題を解決できた、自身でやり切った感の蓄積が、大きな自信となって、問題解決力という資質能力を育成していたのです。この1年半は、先生がジャッジマンとなった授業が展開されることが多くなり、担任に強く依存する子供たちが増えています。教育活動を止めてはならないということ、それはこのようなところの活動も少しずつ戻しながらの成長の保証が必要になると考えています。