学校日記

校長室からの独り言36 楽しい算数

公開日
2021/11/29
更新日
2021/11/29

校長室から

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 以前、子供から勉強させられたと、保護者からこんな話を聞いたことがあります。130円もって買い物に行きました。40円のガムを買いました。残りはいくら?という問題に対して、130−40=90だから90円とお父さんが答えると、子供は、100−40+30=90だから、90円ではないのかと尋ねたそうです。だって、と子供は続けて、「40円のガムを買うのに、130円をレジに出すことはない」というのです。くらしに根ざした子供たちは、自分の買い物の様子を思い浮かべています。そして、40という数が、100より小さく、30より大きいことを考え、100円玉をレジに出すか、10円玉をレジに出すか瞬時に決めているのです。
 私たちの世代は、算数の問題にあまり疑問をもたないで育ちました。というか、慣らされてきました。問いを解くことが学習だと習い、疑問という問いをもたないことに慣らされてきたのかもしれません。なので、明らかに非現実で、使うことのない不思議な算数の問題も解いてきました。何の想像や疑問も呈さずに、闇雲に解けることだけを目指して・・・。しかし、今の子供たちは、算数の問いに対しても、自分のくらしを重ねたり、量的な感覚を想像したりしながら問いを理解し、問題を解決しているのです。くらしの中で活用できる知識として身に付けようとしているのです。子供たちの学びが、クイズ番組にしか使えない死蔵の知識とならないように、授業の中での子供たちが想像している世界を見える化しながら、個々の違いを明確にする必要があります。単に解けたからよかったという算数の授業は終わったのです。仲間のいろんな考え方や思いと出会える、楽しくウキウキする算数の時間になるのです。