校長室からの独り言37 いい加減にしなさい!
- 公開日
- 2021/12/13
- 更新日
- 2021/12/13
校長室から
ほどほどといい加減にしていないために、大目玉を食うこともたくさんあった子供時代ですが。加減というのは本当に難しいもので、私が小さい頃は、自宅は五右衛門風呂で、下からあぶられた釜でなかなか湯冷めしない風呂だったものです。しかし、熱い風呂を水で埋めて、よい加減にして湯船に入ると、冷えた体に合わせると体が温まる頃にはぬるく感じるし、温まる体に合わせると最初熱く感じるという、なかなかいい湯だねという訳にはいきません。
子供たちは学校という社会集団の中で、様々な折り合いを付けると言われています。誰にとってもいい加減なところとはいかないもので、押したり引いたりしながら、全体としてのいい塩梅のところで折り合いを付けることとなります。勝負が絡んだり、それぞれに損得が働いたりするとなおさら落としどころが見つかりません。体育や社会見学、宿泊のグループ決め、普段の席替えや生活班決めなどは、子供たちにとっては、全員が気持ちよくいい加減に決まることは永遠にないのです。フィンガー5の歌が聞こえてきそうな席替えは、まさに、運命の女神は微笑むこともなく、決め方を決めるまでに何日もかかり、結局席替えをしないことになったり・・・。口をとがらせて、自分にとって都合がいい決め方を主張する子供や決め方を決めることに嫌気がさして、くじ引きやじゃんけんに平等感を求める子供がいたり、我が表に出てくるといい加減な落としどころは見つからず、上げた拳の落としどころさえ見つからない、寒々とした時間となります。“いい加減にしなさい!”と言いたいところであるが、自分たちで決めることが何にも増して大切なのです。足したり引いたりする中で、加減を覚えていくのです。