学校日記

校長室からの独り言10  「空は青いね!」と

公開日
2020/07/09
更新日
2020/07/09

校長室から

 保護者懇談会、個別面接「あのね」週間の中で、保護者の方々とそして子供たちとじっくりと膝を交えて話す機会を得ました。普段の慌ただしい授業や活動の中での会話とは異なり、担任も個の存在を強く意識したのではないでしょうか。個の存在を大切にしながらも、学校は集団生活の場、社会性を養う場として、集団の一員として一人一人をみることが多くなることも現実としてあります。
 こんな話をしていると思い出すのが、初任の頃(30数年前)校長先生から聞いた話です。運動会で徒競走を終えた男の子が、ゴールを走り抜けるとそのまま築山に大の字に寝そべっていたというのです。集団にいないことに気づいて、怒りつけようと思って駆け寄ったとき、その男の子が先生に、「空は青いね!」と言ったというのです。あっけにとられながらも、急き立てるように集団に戻したそうです。後から分かったのは、徒競走で万年ビリだった子供で、この年初めて最下位ではなかったのだということです。続けて打ち出される徒競走の号砲、淡々と決まっていく順位、機械的に進められていくプログラム。そんな中、その男の子にとって、最下位ではなかったゴールを駆け抜けた瞬間から、時間は止まっていたのかもしれません。「空は青いね!」と一緒に寝っ転がってやれたならば、個々の子供たちとすてきな時間を共有できる学校だったらと・・。こんなに忙しいのに、それは無理!!と一喝されそうですが・・・。