校長室からの独り言13 解決方法のない課題
- 公開日
- 2020/09/02
- 更新日
- 2020/09/02
校長室から
獅子は、千尋の谷に子供を落とす!の言葉と『巨人の星』の星一徹が重なるのは、私たちの年代だからでしょうか。ちゃぶ台をひっくり返し、大リーグ養成ギブスをつけさせる親はいないにせよ、我が子には、たくましく生きていって欲しいと願う親御さんも多いのではないでしょうか。いろいろな失敗や苦難と出会っても、それに負けて欲しくないと思っています。転ぶこと、失敗することは、いろんな勉強になります。しかし、できれば我が子には苦労させたくないというのも、親心でしょうか。OECDの調査で、他国と大きく異なるところとして、明らかな解決方法が存在しない課題を提示することが、日本教育では極めて少ないことが挙げられています。
「若い頃の苦労は、金を出してもしなさい!」と社会では言われる反面、学校教育では成功経験、分かるできる経験を中心においてきています。失敗させたくない親心を含み入れたのでしょうか。しかし、たくさんの転んだ経験や失敗の経験、自己決定の経験が、転ばない手立て、けがのない転び方、起き上がり方等々を体得していきます。この後、運動会等の練習も入ってきます。うまくいかないこと、悔しいこと、本気になればなるほど、たくさんの感情も生まれてきます。明らかな解決方法のない課題かもしれません。勝つために知恵を絞ります。技能上達に努力します。しかし、一朝一夕にできるものではありません。できない悔しさやもどかしさ、揺れ動く、熱量の高い運動会であること、そこを乗り越える過程での成長を楽しみたいものです。