校長室からの独り言16 人との関わりの中で、人は育つ
- 公開日
- 2020/10/22
- 更新日
- 2020/10/22
校長室から
縦割りの活動が、例年いろいろな形で行われています。運動会においても、縦割りの中で大きな育ちがありました。地域コミュニティが少しずつ希薄になる中、ほとんどの小学校で縦割り活動を大切に取り入れています。人との関わりの中で、子供たちを育てたいという思いからです。
しかし、現代、様々な人と関わるコミュニュケーションツールのめまぐるしい進歩に人の心が追いついていけないことが多く、翻弄されているところもあるようです。コミュニュケーションを円滑に行うはずのツールが、“既読スルー”という言葉で、読んだのに返事が来ないと腹を立てたり、夜中まで起きてせっせと返事を書かなければいけなかったり、苦痛のコミュニュケーションツールとなっていることもよく聞きます。仕舞いには、既読マークを付けずに文章を読む方法をネットで探すなど、円滑にコミュニュケーションを進める方法ではないことに時間を割くようになっているようです。コミュニュケーションとは、双方向で成り立ち、その中で、対人スキルを育み、情報収集や選択能力等を身に付け、より豊かな自身を育てるものです。しかし、他を思いやれない、相手の気持ちを想像できない一方方向で投げつけるような情報発信に、“いいね!”が付きコミュニュケーションが成り立っていると勘違いしてしまう。コロナ禍での誹謗中傷、いじめ問題は、ツールの向こう側の人と関われていない悲しい現実です。子供の頃に生身の人と関係をつくる経験を積み重ねることが必要です。そのためのトラブルは育つ機会であり大切な時です。それらを怖がらず・・・。人との関わりの中で、人は育つのだから。