学校日記

校長室からの独り言17 叱ること!と怒ること

公開日
2020/11/09
更新日
2020/11/09

校長室から

 公園のお世話をしている近所のおばあちゃんが、かなり憤って話しかけてこられた。世話をしている公園の花をむしり取る園児がいて、母親が横にいたのに注意をしなかったので、仕方なく自分が注意をしたというのです。その数日後、またまた花をむしり取る園児のことで話しかけてこられた。花をむしっていたのを見かねて、もう一度注意をしようと思ったら、横にいた母親が、「だめでしょう。また、あのおばあちゃんに叱られるから、やめなさい」と。おばあちゃんは、呆れ果てたようです。
 先日、本校のスクールカウンセラーで臨床心理士の深澤先生から「子供の心の力を育む」について講義を受けました。その中で、叱ることと怒ること、しつけることについて誤解していないか、違いを確認されました。私たち昭和の時代は、問答無用のお仕置きの恐怖から逃れるために、悪いことをしないという方程式だったのかもしれません。しかし、深澤先生の話は、支配でコントロールする社会をつくってはいけないというお話で、いじめや暴力の増加、支配された子供の深刻な不適応行動、力が逆転したときの親子の支配の逆転等、多くの恐怖社会の可能性があるということでした。叱られるから・・・。という子供たちの後ろ向きな発言をつくっているのは、指導者等の大人に違いありません。支配されたことが、本当の意味のしつけではなく、不条理だったとき、倍返しが待っているのかもしれません。まして、「おばあちゃんに叱られるから・・」とか、鬼の電話等、人の力を借りて支配するという、自分の手を汚さない卑怯者には、正義の鉄槌が下されるでしょう。おっと、この発想が、すでに昭和の支配でコントロールしているのかもしれませんね。