校長室からの独り言19 姿を変える!
- 公開日
- 2023/02/27
- 更新日
- 2023/02/27
風の子情報社 校長室からの独り言支局
給食のメニューに「打ち豆汁」がありました。打ち潰した大豆が味噌汁の具となっている食べ物です。丸々とした大豆ではなく、敢えて豆を潰しているのです。形は異様ですが、乾燥させ保存食とするために必要なようです。3年生は、総合的な学習の時間「大豆食品の研究」の中で、豆腐や豆乳づくり、きな粉づくり等を体験しています。国語の教科書に「姿を変える」という説明文があり、大豆が様々な形に姿を変えていく加工食品についての話を、実際に体験していっているのです。
様々な食文化は、その土地の気候や風土の中で、生きる知恵として進化を遂げてきています。特に、長く雪に閉ざされた生活を送る北国には、様々な保存食があります。本田宗一郎が「発明はすべて、苦しまぎれの智恵だ」という言い方をしているように、漬物や干物、甘露煮や塩辛等々、生きるために必要不可欠な産物だったのかもしれません。そして、その知恵の積み重ねが食生活の可能性を広げ、現代のくらしを豊かにしています。フードロスも限りなく多い飽食の時代に生きる子供たちは、先人の知恵を追体験していく中で、食に対する意識をどのように見つめていくのでしょう。“いただきます”という日本人の食文化はたくさんの日本人の心を教えてくれるのかもしれません。